平屋の設計 | 建築工房 零

01設計と間取り平屋の設計

平屋の魅力と気を付けるべきこと

平屋は地面に近く、外部からのアクセスのしやすさやお庭との距離感など、安心や落ち着きにつながるため平屋を好まれる方も多いと思いますが、一方で気を付けなければいけないこともございます。今回は平屋の注意すべき点について総二階と比較しながら分析していきたいと思います。

コストについて

コストの面を考えると

坪の値段が平屋の場合と総二階の場合で変わります。例えば延床面積が30坪だと仮定すると、平屋の場合は基礎30坪、屋根30坪となります。しかし、総二階の場合は半分の15坪の基礎、15坪の屋根となります。つまり総二階と比較して、平屋の坪の値段は大きくなってしまいます。

また平屋までにはいかないけれど1階の部分にクローゼット、お風呂、物干し等をまとめたいという声をよく頂きます。とても便利だと思いますが、実は上記の理由からコストが物凄くかかります。面積の問題だけではなく、本来2階にある設備さえも1階に降ろすことでさらに1階が大きくなってしまいます。そのため、平屋の値段に近づいてしまうということが言えるのです。ですから、水回りの設備を2階に持っていくことで、総二階に近づくことが出来ます。

水回りの設備を2階に持っていくことはとてもおすすめです。家事動線としてはキッチンと離れているため長くなってしまいますが、洗濯動線としてはすごく短くすることができます。

もちろん1階に全てをまとめる良さもあるのでコストを踏まえた上でご検討ください。

土地について

零の家は、日射が奥まで届き、気持ちのいい暮らしができるように奥行3間×幅5間の30坪総二階を基本として考えていきます。

例えば60坪の土地に総二階での15坪+15坪の延べ面積30坪で計画する場合
図のように、建物を配置した時でも東西面に駐車スペースが取れるために、南側にお庭がとれる・奥まで日の光が届き、家が明るくなるなどメリットが多くあります。

一方で60坪の土地に平屋での30坪で計画する場合、奥行4間×7.5間の配置計画になります。そうなると東西面にとれていた駐車スペースが南側にきてしまい、お庭が狭くなってしまう。また奥行も深くなるので日射の条件も悪くなってしまいます。

このように、同じ土地の条件でも総二階の方が気持ちいい暮らしに近づけるケースが多いことは、把握しておくべきだと言えます。

プランについて

次にプランについてです。例えば1階にリビングとキッチン、2階に寝室と子供部屋という風にすると、3間×5間の1階部分に対して玄関がとれたとすると、明るい条件のいい所をリビングに取れます。

これが平屋の場合は、先ほどの家でいうと5間だったのが1.5倍の7.5間になり、奥行が4間必要になってきます。そうするとリビングが家の中心にきます。リビングが中心の場合、キッチンや寝室、子供部屋、水回りなどたくさんのスペースにアクセスしないといけません。そうするとリビングの周りに面積が必要になります。つまり必然的にリビングが両脇から覆われることとなり、日当たりのいい面積が少なくなってしまいます。平屋の場合リビング空間に太陽が入りにくくなるケースがあります。

さらにリビングの中でも奥行きの深い部分が出てきます。こういったところが環境の悪い部分になり、南側に設置できる部屋が一部屋しかなくなってしまいます。他の部屋は窓が一つしかなく、南側の日当たりを受けられる部屋が少なくなります。

これが総二階だとリビングは南からの光が入り、二階の寝室や子供部屋、吹き抜けホールといったところも日当たりがいい面積が取れるようになってきます。

そんな中で平屋だと動線が制限されてしまい、理想的な間取りを作ることが難しくなり廊下ばかりが長くなってしまいます。つまり無駄な面積が多くなってしまうという事です。ですから、平屋は心地の良い空間を作るのがすごく難しいです。

 

平屋に関してはご家族のライフスタイルにも関わりますので、このような注意点を把握いただきながら、どうしていくかご相談しながら進めていければと思います。

詳しくはYoutube動画で!

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