窓の計画/窓の設計 | 建築工房 零

02パッシブ+小エネ窓の計画

窓の役割

家の中の心地よさをつくる上で窓の持つ役割とその働きは大きいのです。

例えば、近隣の目線をさえぎりながら冬の太陽光を家の中に取り込みたければ南面の高い位置に設けるなど…。

建物の周辺環境を考慮しながら必要な場所に必要な面積だけ、必要な機能を持たせた窓を計画していきます。

パッシブデザインは窓で8割決まります。

【窓の役割】

①採光

②採熱

③開放感

④採風

 

建築する場所、敷地の条件などを踏まえ、窓の役割4つをベストな組み合わせで考え設計をすることで、開放感と目線の制御の両立も実現するのです。

窓に上記のような役割があるうえで、家としての快適性は両立させなくてはいけません。

設計の工夫が必須となります。

窓の役割を最大限に活かし、デメリットを最小限におさえながら設計していくことが重要になります。

①採光

窓の役割として、室内に光を取り入れ、室内を明るくする【採光】があります。

窓からの明るさで、昼間、照明をつける必要が無くなれば、省エネにもつながります。

これは、間取りの上で、「廊下」などの不要なスペースを減らすことも効果的になります。

②採熱~南側に窓を設置することで、太陽の熱エネルギーを取り込む~

窓のメリットを最大限活かすためには、南側に設置することが重要です。

唯一南側が、1年を通して、窓から光が入る熱量と、熱が逃げる熱量とを計算した場合、光が入る熱量がトータルでプラスとなる場所なのです。

しかし、窓は熱が一番逃げていく部分でもあるので、断熱性能だけ考えると窓を小さくし、壁を多くした方が性能が良くなります。

断熱性(Ua値)は高いけど、窓が小さいため、入ってくる日射量は少なく、冬は光が入らない寒い家はいかがでしょうか。

 

私たちが暮らしたい家は、断熱性の高い家ではなく、夏涼しく、冬暖かい家。

 

暖かさは、断熱性能の数値のみではなく窓も含めたトータルの設計で判断していくことが大切となります。

 

 

③開放感(目線の抜け)

窓からの目線の抜けで、面積以上の広がりを感じることができます。

 

例えば、リビングのソファやダイニングテーブルに座った時、キッチンに立った時。

ぴったりと合う位置に窓を設置することで目線がどこまでも抜け、空間が広く感じられます。

家族で過ごす時も、1人で過ごす時も、常に外とつながりがあり、豊かさを感じられます。

 

 

また、気持ち良く過ごすためには、外部からの視線を遮ることが重要となります。

隣の家や道路から人の目線が入るような場所には、木フェンスで目隠しをしたり、植栽でゆるやかに仕切ってあげる必要があります。

2階につけるバルコニーは、洗濯物を干す役割として主に使われるイメージが大きいと思いますが、この目線の制御の役割として重要なのです。

通りを歩く下からの目線を制御することができるため、カーテンを閉めっぱなしにしなくて良い、開放的で気持ちの良い豊かな生活ができるようになるのです。

④採風

~風の入口と出口をつくることで、家の中に風を通す、空気を入れ替える~

ポイントは2あります。

1.風の入口と出口をつくる

南北方向などに窓を設けることで、風の通り道ができ、室内の空気の入れ替えができます。

 

2.風がうまく抜ける窓を選ぶ

南側は、上記のとおり、パッシブデザインに有効な窓のため、引き違い窓などの大きな窓がオススメです。

そのほかの北・東・西はできるだけ小さな窓の設置で十分。

景色を取り込むなどを考えず、通風の役割のみで考えば、「縦滑り窓」が有効です。

窓が一方向に設置されていると、ショートサーキットを防ぐことにもつながり、気持ちよく風が抜ける設計になります。

地域性を踏まえて窓を選ぶ

どんな窓を採用するのか、は、地域性によって変わります。

宮城県仙台市の気候特性で考えれば、日照データ、日照量のデータから、冬は全国平均よりもかなり日照量が多いエリアと言えます。

逆に夏は日照量が少なく雨が多いことが分かります。

 

その結果、仙台市でのシミュレーションとしておすすめする窓としては、以下の3点となります。

1.南側の窓はなるべく大きく

2.日射取得型の

3.ペアガラスを使用

 

冬は、日照量が多くて、夏は少ないという仙台市の特性を理解して、積極的に活用しながら住宅設計をしていくと、快適で省エネにもつながる暮らしが可能となります。

 

デザインによって窓を選ぶ

どんな窓を採用するのか、は、デザイン性によってえらばれます。

建築工房零では、リクシルの TWを標準仕様として採用しています。

理由としては、仙台市の気候風土にはペアガラスが有効なこと、フレームのラインが細く外と中をつなぎ豊かさを感じられるからです。

 

・リクシルTW・・・アルミと樹脂の良さを融合したハイブリットの引違い窓。すべての縦フレームの幅を統一。正面から見た時もすっきり美しく、視界も大きく広がります。

 

 

TWのもたらす開放感と目線の抜け感を比較してみてください。

 

LIXIL TW2枚建

樹脂窓(エルスター)2枚建

折りたたみ窓4枚建

折りたたみ窓6枚建

私たちは、家での暮らしが外と気持ちよくつながることが、豊かさのひとつだと考えています。

四季折々の開放的で心地よい空間を常に感じられる、そんな家づくりを「窓の計画」から考えご提案していきます。

 

詳しくは、youtube動画で!

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