木の家・自然素材のメンテナンス | 建築工房 零

03素材とエネルギー木の家・自然素材のメンテナンス

「メンテナンスフリー」はない

「メンテナンスフリー」という言葉よく耳にします。

しかし、実際には「メンテナンスフリー」という言葉はなく、メンテナンスするまでのスパンが長い材料は存在しますが、メンテナンスがない材料はないと考えます。

例えば、テフロン加工のフライパンは、基本的にお手入れ不要で、メンテフリーと思われがちですが、一度テフロンが剥がれたら修理は面倒で、結果として使用期間は短くなりがち。

それに対して、無垢の鉄のフライパンは、毎回プレヒートや使用後のお手入れが必要とちょっと手間ではありますが、きちんとお手入れをしていれば壊れることなく、テフロン加工のフライパンよりも長持ちします。

このように、例えば無垢木材、漆喰などを使う自然素材の家は、調理器具に例えると、『無垢の鉄のフライパン』のようなもので、フローリング、ビニールクロスなどを使う新建材の家は、『テフロン加工のフライパン』のようなものだと考えています。

例えば床材になぞらえると、「合板フローリング」は安く、基本的にはお手入れが不要という魅力があるのですが、表面は薄い仕上げのため長い時間の中で剥がれていくことで、見た目がみすぼらしくなってしまうだけではなく、修復するには張替をするなど、大きな労力と金額を要します。

一方、「杉の無垢材」は最初の金額は「合板フローリング」よりもかかりますが、15mm分の床材が張られるために、傷がついたとしても剥がれという概念がなく、見すぼらいいというよりは、経年変化を感じられる味に変わっていきます。また、もし傷がついたとしてもアイロンなどを使って木、本来の細胞を復活させることもでき、まさに鉄のフライパンのように長く使っていくことができます。

外壁のメンテナンスついて

長く住む家で一番大きな金額を要するのは、外壁・屋根塗装です。新築から30年に一度をペースに塗装を施して保護をしてあげることをお勧めしております。

一方で世の中には外壁材でよくメンテナンス不要という外壁材をききます。

しかし、ジョイントのコーキング部分はメンテナンスが必要になります。つまり外壁材自体にメンテナンフリーでも外壁材をつなぎとめるコーキングにはメンテナンスが必要になるため、結局は足場をかけてコーキングを打ち返すようなメンテナンスが必要になります。

このようなメンテナンスフリーという言葉には「テフロン加工のフライパン」や「メンテフリー外壁材」のような落とし穴があるため注意していくことが必要です。

メンテナンスが必要な家のメリット

メンテナンスフリーは使っていく過程で一度壊れてしまったら終わりという注意点があります。

その一方で、メンテナンスができるものは、言い換えると点検の目が定期的に入りその都度、不具合等に対応していき、長く使っていけると捉えることができます。

それらトータルコストで考えていく必要があります。

木の使い方

メンテナンスを考えた上で一番長持ちする素材、それは木です。

神社仏閣が腐らずに何年も長持ちしていることを思い返すとイメージしやすいと思います。木は使い方を間違いなければ100年、200年と長持ちします。

では腐りやすい家はどうしているか、それは腐るような木の使い方や腐った時に取り換えられないような作り方をしているからです。例えば、屋根の軒の出をださずに雨がダイレクトに外壁にあたってしまうことや水を受けて溜まってしまうような作り方をしていと、あっという間に腐ってしまいます。

わかりやすい例としてはウッドデッキです。例えば屋根に守られているウッドデッキと雨ざらしのウッドデッキでは違いが明白です。雨ざらしのウッドデッキは10年ほどで腐ってしまうケースが多い一方で屋根で守られているウッドデッキは何十年も腐らずに長持ちします。

同じ木でも使い方によって長く持つか否か変わってきますので、意識をした上で選択をしていくと後悔なく家づくりができると思います。

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