太陽の設計/軒の出と吹き抜け | 建築工房 零

02パッシブ+小エネ太陽の設計/軒の出と吹き抜け

太陽の設計とエネルギー

みなさん、太陽のエネルギーってどのくらいかご存知ですか?

一間幅の掃出し窓1枚から入ってくる太陽のエネルギーは約600Wと言われています。

600Wというと… ドライヤーの弱や、コタツ1つ分の熱量です。

なので、一間幅の掃き出し窓が2枚だと約1200W、3枚だと約1800W。

1800Wだとストーブ1個分の熱量といわれています。

つまり、3枚の掃き出し窓があった場合、無料のストーブがずっと付いている。そんなイメージです。

太陽のエネルギーを生活に取り入れることで、省エネや快適性などに繋がります。

では私たちは実際にどんなふうに取り入れるのかというと

「太陽の設計」という、季節によって変わる太陽の動きを上手に取り入れた設計をしています。

仙台における太陽の南中高度は約、夏は75度 冬は28度 になります。

南側に大きな窓を設け、冬は室内を暖かくするために、太陽の光を取り入れる、

逆に夏は暑くなってしまうので遮ってあげる設計です。

庇や軒の出

庇や軒の出は日本の住まいにとって、単なるデザインではなく重要な役割を持っています。

昔の外壁は塗り壁が中心で、雨の多い日本では外壁を雨から守るのも大きな役割でした。

しかし、最も大きな役割は日差しの調整です。

夏の太陽高度は約75度になるとお伝えしました。

上から照りつける日差しを、深い軒の出や庇を使って遮ってあげます。

零の家では90cm~120cmの長さとしています。

そうすることで、図1のように日差しを遮ることが出来ます。

ですが、冬の太陽の光は邪魔をせずに部屋の奥まで入ってきてくれます。

仙台の地域にあった設計なのです。

吹き抜け

 

また、吹き抜けも重要な役割を果たします。

吹き抜けは南側に設けることで、図2のように冬の太陽の光をより室内の奥に取り込むことができ、結果、北側もより良い住空間となります。

そして、窓の大きさにプラスして吹き抜けがあることで、より目線の抜けや広がりが生まれ、心地よい住空間となります。

バルコニー

 

バルコニーは洗濯物を干すためだけのものではなく別に重要な役割があります。

夏場の暑い日差しは軒の出や庇をつけて遮りますがバルコニーも効率的にその役割を果たしてくれます。

図2でバルコニーが無い場合は夏場の暑い日差しが室内に入り込んでしまいます。

これは冷房で室内を冷やしながら暖房で暖めているのと同じ状態になってしまいます。

これを防ぐのにバルコニーが適しているのです。

次に冬場はどうでしょう。

地域にもよりますが年間の光熱費の約6割超は冬場に使用されます。

先にも触れましたが、寒い冬は太陽のエネルギーを上手く活用したいですよね。

図3(庇)、図4(バルコニー)を比較してください。

庇よりバルコニーの方が日差しを室内の奥まで取入れることができます。

日射取得による暖房効果をお金に換算すると?

 

最近は電気代も値上がりしていますので、実際にお金に換算してみます。

オール電化 よりそう+スマートタイム(以下東北電力HP 24.05.31より)

夜間や休日を中心に電気のご使用が多いお客様向けの料金プランから

・平日昼間8時~22時まで36.86円/1kWh

・平日夜間と休日の全時間22時~8時まで29.86円/1kWh

 

次に仙台市の過去の日照時間を調べてみます。

2023年1月の宮城県仙台市の日照時間の日平均値(気象庁HPより)

・日照平均4.17時間/日 (31日/平日18日・休日13日)でした。

 

【掃出し窓1ケ所あたりの暖房効果をお金に換算すると】

600Wの時間当たりの電気料金・・・平日22.1円/h、休日17.9円/h

 

平日:日照平均4.17時間/日×600W電気料金22.1円/h=92.1円/日

18日間×92.1円=1,687.8円

休日:日照平均4.17時間/日×600W電気料金17.9円/h=74.6円/日

13日間×74.6円=969.8円

 

以上から2023年1月は掃出し窓一か所あたり2,657円/月の暖房効果を得られたことなります。

単純計算ですが掃出し窓が3か所でしたら7,971円/月の効果が期待できます。

 

昨今、電気料金だけではなくあらゆるものが値上がりし、家計は圧迫されています。

太陽の設計は家計を助け、暖かく省エネの暮らしを続けていくことができる設計です。

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