01設計と間取りキッチンの設計 キッチンはリビングなどと違い、作業をする空間に分類されますが、その作業系空間の中でも一日の中で比較的多くの時間を過ごすのがキッチンです。使いやすく心地よい設計が望まれます。 キッチンのスタイルは大きく3種類に分けられます。 ①オープンキッチン 壁際にキッチンを設置。ダイニング側に背中を向けて作業する様なスタイルです。調理する人は空間や他の家族に背中を向けることになりますが、キッチンを壁際に寄せることによって、台所内に大きなスペースを確保することでき、空間を広く使うことができます。 リビングやダインングからキッチンが丸見えになるの気になる人は避けた方がいいかもしれません。 ②対面キッチン カウンターキッチンとも呼ばれ、よく使われるデザインなので一度は目にしたことがあるかと思います。 こちらは、換気扇を設置するための壁と、キッチンの前面(一般的にはダイニング)側を隠すための壁を立ち上げる必要があります。立ち上がりがあることにより、作業スペースをほどよく隠すことができます。 調理する人はダイニングテーブルの家族と作業中も顔を合わせて会話が出来ます。 背面に収納や冷蔵庫スペースを設けることができ、作業性が向上する最も人気があるキッチンです。 ③アイランドキッチン どの面も壁に接していない、キッチンを中心に、ぐるっと回遊性のあるデザインが特徴です。 仕切り壁がないのでキッチンを囲み、皆で料理ができ、コミュニケーションが取りやすくなりますが、設置に大きなスペースが必要となりますので、空間の使い方には注意が必要です。 また、キッチンが必然的に丸見えになります。 家族のつながりを重視されるようになった最近は零に限らず、対面キッチンに人気が集まります。 ある程度の目隠しとつながり、作業性とデザイン、時として相反する矛盾を解決するポイントがいつくかあります。 ①カウンターの高さ 食事の準備に使用した調理器具などを洗い終えてから食事、ではせっかくの食事も冷めてしまいます。しかし、食事の時に汚れた鍋が丸見えでは切ない。 その為にはある程度のカウンターの高さで隠す必要があります。 しかし、あまり高すぎるとせっかくのキッチンとダイニングのつながりが切れてしまいます。 ちょうど良い高さは1000~1100mm。 床からキッチン天板までの高さは、一昔前は80cmが基本でしたが、今は85cmが一般的になっています。お使いいただく方の身長によっては、90cmをお選びいただく場合もあります。 キッチンの高さが高いほど、シンクが近くなりますので洗い物の際、腰を曲げなくて済みます。ですが、背の高い鍋などを使う場合、加熱機器側は低いほうが使いやすいとされています。 また、内装制限の問題が解消できれば、カウンター上の垂壁や吊戸棚がないほうがキッチンとダイニングを分断するイメージになりにくくなります。 ②背面との奥行き 背面収納は電子レンジ、炊飯器などのキッチン家電を考えると一般品では450mm程度の奥行きが多いです。家電を置くだけなら十分ですが、その前に作りかけの料理を仮置きしたりするスペースがあると便利で、そうなると600mm程度の奥行きが欲しいところです。同様にキッチンも650mm程度有り、そこで作業中の人の後ろを通れるくらいの900mm程度の作業スペースを取ると全部で7尺5寸(=1.25間=2275mm)程度になります。食器棚カウンターとキッチンの間を食材が行き来することを想像すると、キッチンと背面の食器棚までの空間は、広ければ良い。というわけではありません。 キッチンの設計一つで調理する人と家族の距離が近くなります。 BACK