光と風の計画 | 建築工房 零

02パッシブ+小エネ光と風の計画

季節の太陽の動き

ご存知のとおり、地球の自転軸は傾いていて、夏の太陽が高く冬の太陽が低いのもそのためです。仙台における太陽の最高高度は夏至で75 度、冬至で28 度。季節によるこの大きな変化を住まいの設計において見逃してはいけません。また、日昇と日没の方角についても同じように検証していく必要があるのです。

光と風の通り道

ここちよい空間に欠かせないのが、光と風のコントロール。そうした自然現象を最大限に暮らしに生かすには、空間同士のつながりを深めることが有効です。「部屋(room)」を足していくのではなく、家全体を大きな一つの空間として捉え必要最小限の壁や建具で「間(space)」を取っていく設計は、可変性に富む間取りとともに、光と風の通り道をつくり出します。建物の南北方向の奥行きを浅目にしておくことも快適さを生み出すセオリーのひとつです。ひとつながりの団欒の間や、縦方向に空間を結ぶ吹き抜けの存在など、たくさんの設計的配慮がなされているのです。

外と内をつなぐ装置「窓」

家の外と内をつなぐ役割を持つ窓は、同時に断熱や防犯、プライバシーの面で大きな弱点となります。ゆえに、窓の計画においては必要な場所に必要な面積だけ、必要な機能を持たせた窓を計画していくことが重要です。
例えば、冬の太陽光を家の中に取り込みたければ南面の高い位置に、夏の床を這うような爽やかな風が欲しければ地窓を設け、その先に植物を植える。さらに、密集地の建物の間を通り抜ける貴重な風を取り込みたければ縦すべりのような機能窓を風上に向け積極的に風を捕まえる。
周辺環境を考慮した建物全体の計画の中で、窓の持つ役割とその働きは大きいのです。

夏の日射を遮り、冬の温かさを取り込む

一般的な建物の軒の出は、30~45 ㎝程度ですが、零の家の軒の出は、90~120 ㎝。深い軒の出や庇、バルコニーは、太陽高度を考慮し、四季をとおして快適な住空間をつくるための、自然制御機能ともいえる工夫です。
※図は、軒の出とバルコニーの一部にガラスを利用し、広く快適なバルコニーと、ウッドデッキ空間をつくり出すプラン

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