eps.23 生活が趣味になる家 | 建築工房 零

eps.23 生活が趣味になる家

宮城県仙台市青葉区

山積みの薪と笑い声に迎えられ

晴れた昼下がり、通りの角に建つH様宅の前まで来ると、にぎやかな声が聞こえてきた。

1月中旬にもかかわらず、窓を開けていたからだった。「冬でも日中はカーテンを開けていれば、室温が24°とかまで上がるんですよ!片付けしながら暑くなっちゃって」と、Hさんご家族が笑顔で出迎えてくれた。
Hさん夫婦の共通の趣味はキャンプ。家族でアウトドア用品店のWILD-1に行った際、零と出会った。もともと薪ストーブに興味があったこともあり、「WILD-1でイベントをする会社なら自分たちにピッタリかも!」と思い、家づくりが始まった。

五感で感じ取る木の家の心地よさ

「打ち合わせから帰って子どもを抱っこすると、ふんわり木の匂いがしたんです。それがなんだか嬉しくて。モデルハウスに宿泊させてもらった時も、すごく暖かかったし、子どもたちがのびのびして元気だった。ああ、この家なら、楽しく暮らしていけそうだと思って」

「打ち合わせから帰って子どもを抱っこすると、ふんわり木の匂いがしたんです。それがなんだか嬉しくて。モデルハウスに宿泊させてもらった時も、すごく暖かかったし、子どもたちがのびのびして元気だった。ああ、この家なら、楽しく暮らしていけそうだと思って」と奥さんが話す。
土地探しは、「夫婦の職場にアクセスしやすく、かつ自然が豊かな場所」といったイメージを伝え、担当者と一緒に検討していった。零の担当者は「星がきれいに見えます」「川のせせらぎが聞こえます」など、ユニークな視点で土地を提案。「少し天然というか、その温度感が私たちには心地よかったです」と笑う。

「お父さん、かっこいい!」

「なんでも便利になって、エネルギーも食べ物もすぐに手に入る時代だからこそ、薪を自分でつくって、『お父さんかっこいい!』って言われたいんですよね」

H様邸は、家の各所で使われているキャンプ道具が印象的だ。

「キャンプにあまり行けないので、道具だけでも日常的に使いたくて」とご主人。

だんらんの間には人数分のキャンプ椅子、キッチンには手動のコーヒーミルやステンレスマグが並ぶ。「子どもに、キャンプ道具がほしいとサンタさんに言ってほしいんです。そうしたら一緒に使えるでしょう」と笑顔を覗かせた。年末年始は、奥様の実家で薪づくり。ご主人が黙々と作業に没頭する姿を見て、義父から「ありゃ趣味だな」と言われたそう。

「なんでも便利になって、エネルギーも食べ物もすぐに手に入る時代だからこそ、薪を自分でつくって、『お父さんかっこいい!』って言われたいんですよね」とご主人。「自分でつくった薪が薪棚にいっぱいに積み上げられているのを見ると、心がホクホクして満たされる」と話してくれた。

自然に暮らしが寄り添って

今の暮らしについて聞いたところ、「夜ちゃんと眠くなって、朝は自然と目が覚めるのが嬉しい」と奥様。

「星空の美しさや、晴れの日の気持ちよさを感じて暮らしています。目覚めのコーヒーが美味しいです」とご主人が話してくれた。

長男のR君は、家を建てた大工さんに「おうちをたててくれてありがとう」と言ったそう。この家で、これからものびのび育っていってほしい。

だんだんのウッドデッキが室内と庭をつなぐ架け橋に。デッキや庭までを室内空間と捉え、立体的な広がりを感じられる間取り

冬の太陽が吹き抜けとリビング階段を通り抜け室内に差し込む

H様邸外観

使い勝手の良い外動線 道路沿いにある大きな扉を開ければ、そこを拠点に庭と外物置、室内にアクセスできる外動線に。

屋根がかかっているため雨や雪の日も快適に使え、薪の運搬や荷物の出し入れ、来客が多いときにも大活躍。

1階の畳スペースはみんなのお気に入り。

造作机は脚を下せるようになっていて、読書やお絵描きにもピッタリ。どこにいても家族のつながりを感じられる広がり間取りだ

自然いっぱいの環境で のびのび育ちますように 夫婦の実家はどちらも生活圏からほど遠く、「子どもに実家をつくってあげたかった」と話すHさんご夫婦。もともと大きな一軒家に住んでおり、自然豊かな環境でのびのび育ってきたふたり。子どもたちには、自然いっぱいの環境で、庭もあって、家族の会話が絶えないような暮らしを通して感性を育んでほしい、という思いが重なった。

無垢の床と珪藻土の塗り壁が心地よい空間を形づくる

新しく購入したストーブツールと、長年キャンプで使っていた道具が混在する土間スペース。

焚き付け時は、薪を束ねる麻紐をほぐして着火材代わりにすることも。そのほぐす作業も楽しい、とご主人。

H様邸を南東から望む。

L字に配置された建物と、板塀が外からの目隠しになり、リビングからウッドデッキ、庭までつながる広々としたプライベート空間が実現。2階は小屋裏空間の高さを活かし、収納スペースとしてロフトを設けた。

2階水回りへの導線は、家族のWICになっている。収納力も抜群。

DATA

仙台市太白区/木造一戸建て/H様邸

撮影・取材:2020年1月


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