eps.18 五感で感じる、家族の日常 | 建築工房 零

eps.18 五感で感じる、家族の日常

宮城県仙台市青葉区

新緑の木々が出迎えるすまい

「何棟見に行っても、いいなと思ったのは零の家で。床板の触感や木の家の空気感など、五感で感じる心地よさがあった」

新緑の若い緑に彩られた、住宅街の中でひときわ目立つ、Kさんのお宅を訪ねた。今年の秋で築1年を迎えるKさんのすまいでは、庭の新緑を楽しむのは今年が初めて。「ここ一週間ほどで、庭の木々が一気に芽吹いて、びっくりしました」と話してくれた。
それぞれ宮城と岩手の浜育ちというKさんご夫妻は、第一子の妊娠をきっかけに家づくりを考え始めた。一級建築士のご主人は建築を生業にしており、当時住んでいたアパート近くで工事中だった零のすまいに興味を持った。「何棟見に行っても、いいなと思ったのは零の家で。床板の触感や木の家の空気感など、五感で感じる心地よさがあった」と話す。

三角形の土地で叶った自然とつながる暮らし

「最終的に決めたのは、絶対ない!と思って一度ボツにした土地。検討を進める中で、プライベートとパブリックをこう分けられるよ、こんな眺望があるところだよと根気強く説明されて、根負けしました」

「当時は三角の土地に否定的だった周りの友人も、家に来てはほめてくれています」

ふたりの家づくりは、土地探しは奥さまが、家の設計はご主人が担当してスタートした。当初は新興住宅街の真四角の土地が理想だったが、零から提案されたのは三角形の土地だった。「最終的に決めたのは、絶対ない!と思って一度ボツにした土地。検討を進める中で、プライベートとパブリックをこう分けられるよ、こんな眺望があるところだよと根気強く説明されて、根負けしました」と奥さまは笑う。「当時は三角の土地に否定的だった周りの友人も、家に来てはほめてくれています」
その土地の魅力を最大限引き出す設計には、自然とのつながりが不可欠。窓からは心地よい緑を望み、寝室には爽やかな朝日が入ってくる。「すっかり朝の目覚めが良くなりました」とご主人は話す。

ふたりの時間とさんにんの時間

「今は家で過ごす時間が長いけど、息子が大きくなったら、3人で山登りもしたいね」

Kさん夫妻の共通の趣味は山登り。登山道ではない道なき道を開拓するのが好きなご主人は、「山登りは酒を美味しく飲むためですから!」と笑う。奥さまはもともと登山が好きなわけではなかったが、仕事で悩んでいた時「気晴らしに行こう」とご主人に誘われて行った蔵王で、すっかりその魅力にハマりこんだそう。そんなふたりの新婚旅行は、宮城から九州まで走破する、愛車・エクストレイルでの10日間の旅。「今は家で過ごす時間が長いけど、息子が大きくなったら、3人で山登りもしたいね」と話してくれた。
無邪気な笑顔を振りまく、1歳になったばかりの息子のK君。「産まれて半年で引っ越したら、それからずり這いをするようになったんです!それもコルクマットの上から、無垢の床板の上にわざわざ移動して。今では階段もひとりで上っていきます」と奥さまが教えてくれた。3人で一緒に遠出する日も、そう遠くないのかもしれない。

愛おしい日々が家族の歴史になる

隅になっている西側の土地は、これから畑にしたいと考えている。「土いじりをしたくて。ただ今は掘っても掘っても石が出てきちゃって…少しずつでも野菜を育てていきたいなあ」とご主人が教えてくれた。
家にいる時間はほとんどしゃべり通しているという仲の良いおふたり。現在は断酒中という奥さまのお酒が解禁した暁には、ご主人の地元の新名産、「アップルシードル」で乾杯かな。そんな、これからの暮らしの楽しみを聞けるのが何よりも嬉しい。そう感じた1日だった。

南側から望むKさんのすまい。東側の下屋が、通りからの目線を遮り、プライベートなウッドデッキ空間を形づくる。

キッチンは、帰ってくる家族もお子さんの様子も一望できる特等席。

2階ホールから望む景色に癒されて

ご主人のお気に入りの、2階ホール。

イームズチェアとラグ、大きな引き違い窓と、そこから見える景色。階段を上るたびにその情景を望むことが嬉しいそうだ。自身も設計士であるがゆえに零への要求も高いものとなったが、「建って住んでみて、ほんとうに全部良かったな、信頼して零にお願いして良かったなと思っています」と話してくれた。

家事動線が西側にまとめられたKさんのすまい。「家事がすべて1階で完結するから、すごく快適です」

本棚には住宅雑誌や建築家の書籍が並ぶ。

一番のお気に入りはキッチンからの眺望

「息子がどんなに歩き回っても見渡せるので、キッチンにいることが多いかな。景色が良いから、家事や掃除が楽しくなったんです」

夫婦そろって気に入っているのは、キッチンから眺める南面の景色。

引き違いのサッシの窓枠が、ちょうど家の柱と重なるように設計されており、あたかも外とひとつなぎのように感じられる。奥さまは、「息子がどんなに歩き回っても見渡せるので、キッチンにいることが多いかな。景色が良いから、家事や掃除が楽しくなったんです」と話してくれた。

玄関ドアを開けると、庭の緑を切り取る地窓が出迎えてくれる。左手に行けばご主人の趣味満載の土間物置がある。

家族3人とも、家の中ではいつでも裸足。

自転車、ストーブ、キャンプ道具… 趣味のつまった土間空間

飾られた2台の自転車は、フレームから組み、ビンテージのパーツを揃えては組み替え、を繰り返して形づくられたもの。

ご主人曰く、「まだ未完成」。そんな趣味が見える土間にストーブを置いて、炎を見て暮らすのが夢だったとご主人。夜に焚いたペレットストーブの熱が無垢の木に蓄熱され、朝でもほんのりあたたかさを感じられる。

ご主人の休日は、K君と遊んで1日が終わる。「唯一つけるテレビは“おかあさんといっしょ”なんです」と、なんだか嬉しそう。

造り付けベンチが嬉しい、ウッドデッキ。外でごはんを食べる日も待ち遠しい。

岩手県大船渡市の「りんご屋まちこのアップルシードル」。友人のご兄弟が営む会社のものなのだそう。

DATA

仙台市青葉区/木造一戸建て/K様邸

撮影・取材:2019年5月


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