eps32.ごちそうと、景色を望む特等席。高台で育む「風澄のいえ」 | 建築工房 零

eps32.ごちそうと、景色を望む特等席。高台で育む「風澄のいえ」

宮城県仙台市青葉区

まだ残暑の厳しい9月。

高台にたたずむ、グレーの外壁とルーバーのコントラストが目を惹くお住まいを訪問しました。

階段からは、2匹の愛らしい猫ちゃんがひょっこりと顔を出して、温かく迎えてくれました。

どこを切り取っても絵になるこのお住まいには、弾ける笑い声が絶えず、愛らしい2匹の猫ちゃんが暮らし、そしてご家族の「これまで」と「これから」を慈しむ温かな想いが溢れていました。

ずっと憧れていた木の家と、家族がいつでも帰ってこられる場所

「将来子どもが大きくなっても、『いつでも帰ってこられる場所』をつくりたくて」

「家族みんなで一緒に暮らせる時間は限られているかもしれないけれど、ずっと自分の家が欲しかったんです」そう話す奥様。

お子さんが中学生になった頃、毎月の住居費や光熱費の負担感、ご年齢のことなどから「そろそろ家づくりを動き出そう」と考え始めました。頭に浮かんだのは、ずっと憧れていた木の家、そして薪ストーブのある暮らしでした。

実は、建築工房零のすまい手さんと職場の同僚だった奥様。

木の家を求めて他社の住宅展示場へ向かう途中でそのことを思い出し、ふらりと建築工房零の「薬師堂ゼロバコ・アオバコ展示場」へ立ち寄ったのが零との出会いでした。

「最初に案内してくれたのが、営業担当の児玉さんでした。良い意味でガツガツ売ろうとしてこなくて(笑)。自由に見せてくれて、質問にはしっかり答えてくれる。その絶妙な距離感がすごく心地よかったんです。案内してくれたのが別の方だったら、零では建てていなかったかもしれません」と話してくれました。

そこからご主人は、建築工房零のYoutubeチャンネル「マドとマドリの旨い店」の「社員大工」の回などを中心に、動画を隅々までチェックするほどにすっかり零ファンに。

「動画を通して零さんの家づくりに対する姿勢や想いを知るうちに、どんどん信頼が深まっていきました」そう話してくれました。

窓から景色を愉しむ高台の暮らし

「先日友人たちを招いて食事会をしたんですが、その時に南側の窓からちょうど花火が見えて・・・それに、電車が走っている様子も眺められるんですよ。高台に建っていて景色もいいのに、お隣さんや外からの視線は自然と遮られていて。気持ちいいです、すごく」

土地探しで大切にしたのは、「景色が良いこと」、そして「電車通勤がしやすいこと」。

当初検討していた仙台市泉区根白石エリアなども含め、営業の児玉さんと一緒に様々な候補地を吟味し、粘り強く探していく中で巡り会ったのが、この高台にある土地でした。

「以前住んでいた馴染みのある街並みに少し似ていて、高台からは美しい景色が一望できる。さらに予算内にも収まるという、私たちにとって最高の条件が揃っていたんです。

それに、住み始めてから気づいたのですが、町内会もしっかりしていてあたたかい地域なんです。近々芋煮会もあって・・・この場所を選んで、本当に良かったと感じています」と、奥様が笑顔で教えてくれました。

提案を重ねて辿り着いた、立地を活かした間取り設計とキッチン

プランを初めて見たとき「すっと心に入ってきた」というWさんご夫婦。ただ一つ、道路側からの外観デザイン(屋根の向き)に希望があったと言います。

「アプローチから見上げたときに、きれいな片流れのシルエットにしたくて。当初のプランでは南上がりの屋根だったのですが、東上がりの屋根に、勾配の向きを変えたかったんです。でも、そのまま勾配を変えるとキッチンまわりの天井が低くなって狭く感じてしまう。そこで主人から、『キッチンの床を少し下げてみるのはどうですか?』とアイデアが出て。」

設計担当者も図面とともに、目線の高さを検証。床を下げることで圧迫感が消えるだけでなく、ダイニングとの目線が心地よく揃うことや、落ち着くおこもり感が生まれることを見越して設計に落とし込みました。Wさんのアイデアと担当者の工夫が重なり、納得のいく居心地を一緒につくり上げていきました。

手元は隠しつつ、対面で会話が楽しめるキッチン、そして心地よい風が通り抜ける半外空間のバルコニー。

「設計担当の方や児玉さんが、たくさん話を聞いてくれながら、私たちですら気づかなかった想いまで汲み取ってくれた。本当に、感謝しています」当時のことを振り返りながら、そう話してくれました。

木の香りと風が吹き抜ける、とっておきの特等席

「訪ねてきた友人から『まるで森の中にいるみたいだね』と言われたんです。木の香りが気持ちよくて、毎日ここにいるだけで自然と深呼吸しています」

暮らし始めて2ヶ月の、Wさんご家族に住み心地を伺うと、嬉しいお返事がたくさん返ってきました。

ご友人たちが自然と集まるのは、キッチンのカウンターまわり。
リビングとキッチンを仕切る壁がなく心地よくつながっているため、集まった人がカウンター越しに会話を楽しむだけでなく、

初めて来た方でも思わずキッチンの中にまで入ってしまいたくなるような、包容力のある空間になっています。

また、バルコニーもお気に入りの場所で、ご主人が心地よい夜風を感じながら晩酌を楽しむ時間も格別なのだそう。

「キッチンから正面(写真上部)を眺めると綺麗な桜の木が見えるんです。ここで迎える次の春が、本当に楽しみで」

さらに、鼻炎の症状に悩まれていた奥様のくしゃみが減ったり、壁に静電気が起きにくいためホコリが舞いにくくなったりと、自然素材に包まれた家ならではの心地よさや健康面での変化も実感されているそう。

保護猫ぐり・ぐらとの出会いと、賑やかな暮らしの風景

お引越し後、ご家族に新たな変化が訪れました。2匹の兄弟猫、「ぐりくん」と「ぐらくん」を家族として迎え入れることを決意。

インターホンが鳴ると、人懐っこい2匹は階段からお出迎え。撮影中もカメラマンのレンズを興味津々でじっと見つめたり、いろんな人の膝の上ですっかり寛いだりと愛嬌たっぷりです。

この日はご主人方のご両親が愛犬のキキちゃんを連れて駆けつけてくださいました。お父様が珪藻土のかまど「釜くらさん」で炊いたはらこ飯や牛すじ煮込みなど、スタッフにも心づくしの絶品料理をごちそうしていただきました。

途中で学校から帰ってきた長男のU君が自分でお弁当箱を洗う頼もしい姿が見られたり、バルコニーではご主人とスタッフが楽しそうに語り合っていたりと、あたたかい時間に満ちたひとときでした。

「釜くらさん」のかまどは、天然素材の湯布珪藻土を使用しています。

この湯布珪藻土は、調湿性能に優れ、断熱性もあり軽いのが特徴。

多くの珪藻土に含まれている樹脂や接着剤などを一切含まないため、高い耐久性を持ち合わせています。

また、かまどの中は、気密性と蓄熱性に優れた南部鉄器製の鍋を使用。零の家の壁仕上げと同じ湯布珪藻土と、南部鉄器の特徴を活かしたかまどごはん鍋です。

家づくり当時の思い出話に花を咲かせながら、心づくしのごちそうに舌鼓を打つ賑やかな時間。

窓の向こうを走る電車と季節ごとに表情を変える美しい景色、そしてキッチンから漂う香ばしいお料理の匂い――。

この高台に誕生したお住まいは、これからもご家族の帰る場所として、愛おしく豊かな時間を紡いでいきます。

宮城県仙台市青葉区北仙台/木造一戸建て/W様邸

撮影・取材:2026年9月

取材:企画広報課 新山


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