「瑕疵」についてのガイドライン② | 建築工房 零
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「瑕疵」についてのガイドライン②

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こんにちは。

ゼロノワ不動産こと不動産事業部の高山です。

今日は、前回のブログ「瑕疵」についてのガイドライン続編です。

 

瑕疵の中でも「心理的瑕疵」について国交省がガイドラインを定めたことが話題ですが、さて瑕疵ってなんでしたっけ・・・? というのが前回の内容でした。

 

国交省では、「取引の対象不動産において過去に生じた人の死に関する事案について、宅地建物取引業者による適切な調査や告知に係る判断基準がなく、取引現場の判断が難しいことで、円滑な流通や、安心できる取引が阻害されている」ことを背景に、令和2年2月から心理的瑕疵に関する検討会において議論をした結果、このほど「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を策定しました。(国交省HPより。詳しくはリンクからどうぞ

前回も述べましたが、瑕疵というのは物理的で誰にでもわかりやすいものもあれば、周辺環境のことや心理的なものについては気になる程度がAさんとBさんではときには180度違う場合もある、ということがとにかく私たち不動産取引に携わる関係者を悩ませてきました。

指針がないということは「どこまで調査をすれば安心」という線引きが曖昧であるということになってしまうからです。

ではこれまでどうしていたの? というと、過去の裁判例や取引実務に照らし、一般的に妥当と考えられる範囲で調査・聞き取りをすることでトラブル防止に努めてきました。

よって、ガイドライン策定は非常に喜ばしいことなわけですが、今日からはその中身についても詳しく見ていきましょう。

 

「不動産取引における人の死の告知の現状」から

まずガイドライン冒頭では、「とりわけ住宅として用いられる不動産において、過去に人の死が発生した場合、その事案の内容に応じて、一部の買主・借主にとって不動産取引において契約を締結するか否かの判断に重要な影響を及ぼす可能性がある」と述べています。

契約不適合責任の観点からも買いたい・借りたいと希望する方が『そうと知っていたら契約しなかったのに』となるのが一番トラブルになります。

そのため、「売主・貸主は、把握している事実について、取引の相手方等である買主・借主に対して告知する必要」があると言っています。これはガイドライン云々の前から必須事項ともいえる「売主(貸主)の告知義務」ですが、冒頭にもあった「その事案の内容に応じて」というのもカギとなります。

「取引目的、事案の内容、事案発生からの時間の経過、近隣住民の周知の程度等を考慮して、信義則上、これを取引の相手方等に告知すべき義務の有無が判断されている」とあるとおり、その「死の内容」によるよね、ということです。もちろん、事件等の履歴を把握しているのに隠したり嘘をつくのは自らトラブルの種を蒔くようなものです。

私たちが売買の仲介をするときも、売主に対し必ず「過去の事件事故」について照会をします。少なくとも契約前に「告知書」を作成するタイミングで、必ず聞き取りをすることになります。

聞きにくくても、これを怠ることは絶対にありません。
購入や賃貸を検討している方にとって不利益になるばかりか、売主・貸主にも結果として訴訟になるなどの可能性を高めてしまうことになり、もちろん私たち媒介業者の責任も問われます。つまりいいことは一つもないのです。

そこで得た情報について、「(宅建業者は)故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為が禁じられており、・・・当該事案の存在について事実を告げる必要がある。」

絶対に聞き取りをし、事実を告げる。これが基本です。

これまでに行ってきた実務の内容がしっかりとガイドラインに明文化されたことになります。

 

「不動産取引における人の死の告知に係る課題」から

住まうことを目的とした不動産取引において、一般的にはその物件内での人の死について告知義務がありそうだな、というところまではわかりました。

しかし・・・「人の死」とは、それがすなわちすべて「心理的瑕疵」に当たるのかというのは疑問ですね。

ガイドラインにも書かれているように「人の死は日々各地で発生している」のです。
その土地でものすごく昔に人が亡くなったかも・・・ということをどこまでさかのぼって確認するのでしょうか。
これが極めて非現実的であることは言うまでもありません。

「個々の不動産取引に際し、人の死に関する事案の存在が疑われる場合において、それが買主・借主に対して告知すべき事案に該当するか否かが明確でなく、告知の要否、告知の内容についての判断が困難なケース」が山ほどあるのです。

このことは、巡り巡って「住宅確保要配慮者」への問題にもつながってきます。
「住宅確保要配慮者」については過去記事でも取り上げましたが、別名「住宅弱者」とも言われます。

「賃貸住宅の入居の場面において、貸主が、入居者が亡くなった場合、亡くなった理由の如何を問わずその事実を告知対象にしなければならないと思い、特に単身高齢者の入居を敬遠する傾向があるとの指摘もある。」

大家さんや宅建業者が、のちのトラブルを防止することを考えるあまり、借主に対して過去に生じた人の死に関する事案の全てを告げる対応をするということは、一人暮らしのお年寄りがお部屋で亡くなった場合に次の借り手が見つかりにくくなるかもしれない、という心配につながり、その結果単身高齢者が入居を断られてしまうことにもなるのです。

 

本ガイドライン策定の背景には、住宅セーフティーネット制度とも深い関係があったのです。

 

・・・③へ続きます。

 

 

おまけ:仔猫たちすくすく成長。離乳も終わりました。
在宅ワークの癒しです。

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