境界あれこれ② | 建築工房 零
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境界あれこれ②

タカヤマユカ
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こんにちは。ゼロノワ不動産 高山です。

境界の沼へようこそ、第2回(第1回はこちら)。

今日は「筆界(ひっかい・ふでかい)」について。

 

前回、筆界とは一筆の土地の境界のことで、 法的には、個々の土地を区画する公法上の区分とされている線である、とお伝えしました。

なぜ「筆」かというと、登記する際の土地の数え方の単位が「筆」だからです(参考:過去記事)。

 

・・・今私なんて言いました?

 

「登記する際の」です。ここに、もう一つの境界である「所有権界」との明確な違いがあります。

 

ある土地が登記された時にその土地の範囲を区画するものとして定められた線が、筆界。

つまり筆界は登記されてはじめて発現するものであるため、所有者同士の合意等のみによって変更することはできません。

変動させるためには「分筆(一筆の土地を複数に分けること)」や「合筆(二筆以上の土地を一筆にまとめること)」の手続をとる必要があるのです。

登記によらなければ変更することのできない筆界ですが、現地で何か目に見える線が引かれているわけではありませんね。

筆界は「登記あってこそ」ですから、管轄の「法務局」に情報があります(中には稀に、筆界未定地などもあるのですが沼が深すぎるのでここでは省略します)

〇法務局備え付けの地図=「公図」

〇法務局備え付けの測量図=「地積測量図」

この二つの図面により、ほとんどの土地の筆界は図面上で「見える」ことになります。

公図にこんな土地があったとします。見えているグレーの線が、「筆界」です。

 

こうなりました。これを「分筆」といいます。

赤の「筆界」が新しく引かれました。

この逆を行う(1-1と1-2の筆をあわせて1-1のみにする)のが合筆で、筆界を一部消滅させることになります。

 

一筆一筆の土地の間に引かれた、図面上で見える「線」。

これが「筆界」です。

 

 

次回もお楽しみに!

おまけ:先日、お客様からミカンが届きました。

遠方にお住まいの売主様で、これまでは電話と書類郵送でのみやり取りし、売買契約を行いました。
まもなくの決済には来仙いただけると聞いて、お会いするのが楽しみです。

Aさま、ありがとうございます。

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