違和感 | 建築工房 零
小野幸助ブログ
ONO BLOG

違和感

オノコウスケ
小野幸助ブログ

お疲れさまです。疲れてないけど。
おのです。ヒゲメガネです。

諸先輩たちにアドバイスいただき、
「一級建築士のヒゲメガネです。」
ってフレーズに変えます。(謎)

 

YouTubeを一所懸命やっているので、ブログがいつもおざなりになりますが、
久々の出張で新幹線の中で書いてます。

今回は滋賀に向かってます。
業界の大御所キーマンたちと毎年恒例の年末大人の遠足です。

毎年のことながら、生きた心地のしないもんです。

ここ最近、色々感じていたモノが整理できたことがあったので、自分のメモがわりに記録しておきます。

震災とコロナが拍車をかけ、社会の変化が尋常ではないくらい早いですが、
ここ最近の
「これからは全て太陽光だ!」
「これからは全て電気自動車だ!」

という流れにずっとモヤモヤした違和感を感じてました。
その違和感についてです。

その違和感は自分でも整理できてなかったが、ある方と対談をしているうちになるほど整理できました。
その方は業界では影響力がナンバーワンのリクシルという会社のパッシブファースト事業部の中島さんという方です。
正直私はリクシルという会社があまり好きではなく(笑)トステム時代からゴリゴリの営業スタイルが苦手でした。
ちなみに業界でもリクシル嫌いは多いです。
ですが、昔から会社は嫌いなのにリクシルスタッフの方とはいつも仲良くなるんです。

なぜだろう。。笑

その中島さんとの雑談の中で

「これからは全て太陽光だ!」って流れに違和感を感じていることを話しました。
太陽光発電に対して私は否定派でもないし、現に本社にも太陽光発電を載せてます。
(太陽光発電推進派にはいつもボコボコにされるが。)
その違和感に対して中島さんが

「太陽光発電は素晴らしいけど、その前にやることあるよね。ってことですよね。
だからウチの事業部は「パッシブファースト事業部」って名前なんです。
太陽光発電などの高性能機械も大事だけど、その前に建築でやることあるよね。って」

そう言われて納得しました。
自分の違和感が全部整理できた瞬間でした。

その昔、諸先輩方の話では、建築業界は
「これからは全てコンクリートだ!」
って論調だったそうです。
「木造なんて腐るし弱いしダメだ。全てなくなる。勉強しても意味がない。」
と。

今でも「建築学科の大学を卒業したらコンクリートのゼネコン。木造は高卒or専門卒の人がやるもの」
という流れを先日の大学の交流会でも感じたばかりではありますが、
木造が再評価されて、公共建築物木造推進法(名前が変わったらしいが)ができるくらいになり、
木造が今でも建築業界、特に住宅業界に大きく貢献はしていることは周知の通りです。
むしろ木造の価値は格段に上がっているくらいです。

私もコンクリートは全く嫌いではないし、実際に現場ではたくさん使用します。
が、「全てコンクリート」という流れにはかなり違和感を感じます。
コンクリート造の家には住みたくはありません。
世界最古の企業「金剛組」の経営危機と復活劇もご存知の方は多いでしょう。

「全て電気自動車だ」の流れもそうです。
「内燃機関やバイオマスなんて全てダメ。これからはずべて電気です。」って、
声高らかに上の方から言われ続けてますが、
私の経営者仲間が日産のリーフを中古で購入した時、車で1時間ちょっとの距離の私の事務所まで来るのに
真夏なのにエアコン消してきた、と言われた時にはびっくりしたモノです。
一緒に福島に出張に行った時は、本人の電気自動車では隣の県に行くにも無理があり、
奥様の可愛いぬいぐるみで飾られた軽自動車でおじさん二人でドライブしたものです。

現在もリーフの中古はとんでもない低価格で売られてますね。

フォルクスワーゲンの電気自動車100%計画も社長交代で風向きが変わりました。
「時代の流れに対応できない。もうトヨタは終わった」と、言われ続けれましたが、
「さすがトヨタは冷静だな」、という流れに変わってきました。

電気自動車で環境に貢献している、と、ニコニコ顔で言われるが、
その電気はどこで何を燃やして発電したものなんだろうか。
太陽光発電のシリコン、電気自動車のリチウム、は、どこの国でどのように生産されたものなんだろうか。

もちろん電気自動車の貢献度は認識しているつもりです。
が、「全て電気自動車」、と言われると、その前にやることがあると思います。

オール電化もそうです。
オール電化にあらずんば家にあらず、とまで言われましたが、
電力会社の言いなりに蓄暖を入れた人たちは大変なことになっています。

自分は場の空気を読むのが本当に苦手で、発言や行動でやらかしてしまうことが昔から多いが、
「違和感」に関してはある程度の感度があると思っています。

「これからは全て原発だ」

「これからは全て人工芝だ」

「これからは全てエアコンだ」

「これからは全部オール電化だ」

もちろん電気自動車や太陽光発電が全て席巻することはあるかもしれませんが。

その場の損得だけで考えると、どうしても短絡的になってしまうきらいがあると感じています。
でも、善悪だけで考えるのも、それはそれで現実的ではないとも思います。

太陽熱だけの無暖房で暖かいリビングの気持ちよさや、
薪ストーブの揺らぐ炎の前でお酒を飲む楽しさって、
その裏にある「理由のある心理的健全」ってのが影響しているんだろうな。

そういう意味では、もしかして、
何がカッコいいか、何が楽しいか、何が気持ちいいか、
って価値観も、
もう少し見直してもいいのかもしれない。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

おの

その他のよみもの

PAGE TOP