街づくりのための法律 ~都市計画法~ | 建築工房 零
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街づくりのための法律 ~都市計画法~

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突然ですが、あなたは子どもの時ゲームをしていましたか?

 

 

 

 

 

 

 

 

↑親としてはこういうゲームにしてほしい。笑

 

私は結構やりました。マリオとか、その辺の男子より上手だったかもしれない。笑

今はゲームもオンラインで、誰もお友達がいないはずなのにヘッドホンをつけた息子がいきなり笑いだしたり、会話したりしていて驚かされますが、先日

 

私「このゲームは何をしてるの?」

息子「マチとか作るんだよ」

 

というやり取りがあり、そういえば昔「シムシティ」っていうゲームあったなと思い出しました。(今もあるのかな?)

市長として街をつくり繁栄させていくゲームで、うろ覚えですが、ライフラインや教育施設などの整備はもちろん税率の設定や災害への対応など仕事がたくさんあって、基本的に終わり(クリア)らしきものはなかった印象。

 

どんなことでもそうかもしれませんが、無計画に進めると必ず行き詰まり、弊害が出てきますね。

ゲームなら「やーめた」とか「よし、もう一回最初から」とかでいいですが

現実ではそんなことできません。

 

そのためにいろいろな法律があって、その中でも「都市計画法」というのが街づくりにおいては重要です。

 

「都市計画は、農林漁業との健全な調和を図りつつ、健康で文化的な都市生活及び機能的な都市活動を確保すべきこと並びにこのためには適正な制限のもとに土地の合理的な利用が図られるべきことを基本理念として定めるものとする。」

 

これは都市計画法第二条の条文から。(国土交通省HP)

 

 

シムシティのプレイヤーの気持ちになってください。

あなたが今日から街をつくります。

広大な土地がありますが、まず「街づくりをするエリア」を決めましょう。

これが「都市計画区域」となり、その区域内に適正な制限がかけられます。「都市計画区域外」はエリア外なので制限はかかりません。

※「準都市計画区域」というのもありますが、こちらは区域外だけど制限しておいたほうがいいな、という感じです。

 

「都市計画」というと、道路でしょ、家、ビルを建ててーとなりますが・・・ちょっと待って。「都市」っていうけれども、理念を思い出してください。まず初めに「農林漁業との健全な調和」です。つまり、農地や森林など、緑を残すエリアを決める必要がありますね。

 

そのエリアは「市街化調整区域」として、原則として建物は建築できません。

反対に、建物を建て、街としての機能を持たせるエリアを「市街化区域」と決めましょう。

え? 全部いっぺんに決められない? じゃあ、ちょっと悩んでて保留のところは「非線引き区域」、つまり線引きしないところがあってもOKとします。

 

ふー。

やっとエリア分けがされてきました。

よーし、どんどん建物建てるぞー!! ・・・って、待って待って。

市街化区域だからってなんでもかんでも無計画に建ててしまったら、

 

「自宅の隣に工場ができて困ります」

「閑静な住宅地かなと思ってたのに、にぎやかすぎるお店ができて・・・」

 

・・・これでは安心して暮らせませんね。

 

そのためにはまず、市街化区域内はしっかりと、「つかいみち」ごとのエリアを決めましょう。

 

この「つかいみち=用途」を定めたものが「用途地域」であり、2018年に「田園住居地域」が新たに加わって現在13種類ありますが、大きく分けると「住居系」「商業系」「工業系」になります。

 

「この地域は、高い建物が建てられる恐れがないな」

「利便性はいいけれど、将来娯楽施設ができる可能性もあるのだな」

 

など、これから住むところを検討している方にとって「用途地域」を知ることは安心の一つになります。

 

用途地域以外にも、都市計画法ではさまざまな地域地区等の指定があり、それらは土地の利用に関するものだけではなく、防火や防災のためのものもあります。

 

「都市計画法」の適正な制限を守ってつくられた街。

 

これからお引越しを考えている方、お家を建てる計画のある方は、

その場所がどんな地域なのか、ぜひ調べてみましょう!

 

 

 

 

 

↑空から見ると、わかりやすい。

 

 

 

 

高山 裕佳

 

 

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