
本物のものづくりを、文化を、人を地域に残す

Youtube連動企画:ユダ木工×永本建設×マドとマドリの旨い店レポート
広島県廿日市市からの同志と語らう
2月25日(水)、仙台市青葉区の古民家改修ゲストハウス『アゼミチタベネル』を会場に、ユダ木工さんと永本建設さんとのYoutube収録を行いました。
翌日に経営者たちの学び合いの場で基調講演をしていただくための仙台入りだったにもかかわらず、前日にお呼びだてし、大いに懇親したのです。
この3社、会社の歴史や活躍する地域は違っていても、ものづくりへの思いや価値観は共通するところが多々ありました。
動画の公開と前後しますが、活字で読みたい派の方も多くいらっしゃるのではないかな、ということで、その熱いトークを抜粋しながらお伝えいたします。

会場となった「アゼミチタベネル」
森と海を繋ぐ「国産材」への思い
(小野) 建築工房零では、玄関ドアに「ユダ木工」さんの木製ドアを標準採用しています。ユダ木工さんは、広島県廿日市という木工が盛んな地域で、100年も続く老舗企業。今日は、社長の息子さんである湯田旭さんと、同じく広島で工務店を経営されている、永本建設の永本社長にお話を聞いていきたいと思います。
(湯田)建具屋として創業した弊社は、その後長らく輸入材が入る港の近くで外国産材を使った事業展開をしていました。20年前、永本建設さんが取り組んでいらっしゃった「漁民の森づくり」という活動に出会い、ものづくりの現場で国産材が使われていないこと、木を使わなければ林業が衰退し、山が荒れ、栄養が海へ流れなくなる、という循環を知り、危機感を覚えました。そこから、自社の木製ドアメーカーとしての活動と地域の森づくりを両立させたいと、国産ヒノキ100%のものづくりへ舵を切りました。
(永本)ユダ木工さんと出会う前は、自分たちは国産材の家づくりをしているのに、なかなかいい木製玄関ドアと出会えなくって。他社さんの家でユダ木工さんの玄関ドアを見て、目から鱗が落ちました。

「こんなに近くに、いいものを作っている会社があるじゃないか!」と。それからは、工務店仲間にも「こんな木製ドアがあるんだよ」と発信に努めて、それで10数年前に零さんにも紹介したんです。工務店とドアメーカーと、立場は異なるけれど、ユダ木工の玄関ドアの魅力を広めるのが私の役割だと思っています(笑)
(小野) 永本社長に紹介していただくまでは、地元の建具屋さんと国産無垢材の玄関ドアを作ったり、工業製品の玄関ドアを採用したりと、デザインや風合いと性能を鑑みて、その時々でベストな選択をし続ける、といった形で、試行錯誤していたんです。ユダ木工さんの「国産材利用」と「性能」どちらも追求していることや、会社の価値観に共感し、今では標準仕様として採用させていただいています。
(湯田) 木が反りやすい、という特徴があるなら、木取りの工夫や設計で、極力反らないように作る。工業製品に負けない断熱性能を出そうと追求してきました。反ったとしても、直せる作りにすることで、ユダ木工の木製ドアを使っている工務店さんが自信を持って、妥協せずにお客さまに提案できるようにしたいんです。顔認証のスマートロックなど、最新技術も取り入れています。現状維持ではなく、「お客様にとって何が一番心地いいだろう」ということを常に考えながら、ものづくりを続けています。
(小野)工場にお邪魔して驚いたのは、ドア1枚1枚への向き合い方です。
(湯田) 木の欠点として扱われがちな「節」も含めて、ヒノキをまるごと製品に生かします。節穴は、枝を使って本物の節のように修復します。1枚1枚表情の異なる木材を美しく並べる工程では、美術を学んだ職人が活躍しています。10代の若者から70代のベテランまでが、そうやって木と対話しながらものづくりしていて、それを誇らしく思っているんです。

ユダ木工 湯田旭さん
失いたくないものを次世代に繋ぐ責任
(小野) 今の世の中、お金を出せば何でも手に入り、古くなれば捨てるのが当たり前です。木工が地場産業だったはずの地域でも、木屑を固めて木目調シートを貼っただけのような製品で溢れている。それは地域の宝、文化が失われていくようで寂しさを感じますよね。
(湯田) 私は一度別の会社に就職したのですが、ユダ木工に改めて入社して。最初は現場で、木屑まみれになって働くこともしました。ヒノキの節を自分も埋められるようになりました(笑)
帰ってきた理由の一つは、家族の思い出や会話の中に、「ユダ木工」がずっとあって。もちろん父も、祖父も、母も、みんなです。そんな家族の背中を見て育ったから、家族の思い出と共にあるこの場所がなくなるのは耐え難いなと。だからこそ、地域のイベントや学校教育にも出向き、木の良さを伝えています。廿日市にとって誇れる会社になり、雇用を生み、人を育てる。それが100年企業として、この地域に対して還元していけることだし、継続していくためにも大切なことかなと思っています。
(永本)実は私の息子は、かつて建築工房零で4年間修行に出させてもらって、小野社長はじめたくさんの方に手荒くも(笑)温かく鍛えていただきました。今は広島に戻り、同じ志で家づくりをしています。私たちが守るべきは「温故知新」のものづくり。
例えば古民家の古い材料ひとつとっても、「汚れているな」と思うか、「味があるな」と思えるか。私は、貼りものではない素材、本物の素材だから「古くても廃れない、良いもの」と思っているんです。こうした価値観は、日本にずっと残っていくべきだと思っていて、それを伝えられるものづくりを続けていきたいと思っています。良いものを”良い!”と世の中に発信することも楽しいですしね。

建築工房零・アオバクラフト 小野幸助社長
時の経過とともに美しさが深まる そんなものづくりを未来につなぐ
(小野) メンテナンスしながら使い込むことで、新しい材料では決して得られない味・美しさが宿る。ユダ木工さんの言う、「経年美」そのものです。それは私たちが忘れているだけで、日本人のDNAに刻まれている感覚のはず。「作った時が最高」な家ではなく、住むほどに愛着が湧き、次世代に誇れる家。ぜひこれから家づくりを考える方には、こうした「先々まで住みつなぐ」ことができる家づくりやものづくりをしているかどうか、社員大工や職人を育てて、技術を繋いでいるかといった点を、家づくりのパートナー選びの判断材料の一つにしてもらいたいです。
(湯田)自分も含め、会社の若手メンバーは皆、本物の木を使ったものづくりに魅力を感じています。これからさらに何十年と会社として成長していくためにも、この価値観を大事にしたものづくりを継続し続けていきたいと思っています。自分たちの行動が世の中により豊かな暮らしを提供できると信じて、これからもやっていきたいです。

永本建設 永本清三社長
Information
ユダ木工株式会社
広島県廿日市市木材港北7-28
TEL 0829-34-2777
永本建設株式会社
広島県廿日市市新宮二丁目14番12号
TEL 0829-31-6655
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